東京高等裁判所 昭和26年(う)5097号 判決
原判決が確定した被告人の原判示第三の所為が刑法第百六十二条第一項所定の有価証券変造罪に該当することはまことに所論のとおりである。されば、原審がこれを同条所定の有価証券偽造罪に問擬したのは、失当たることを免れないけれども、同条同項所定の有価証券偽造罪と同変造罪とは、各その罪質及び刑期を同じくするものであるから、そのいずれを適用したとするも、被告人の利害に消長を来たすものではないと解すべく、従つて、かゝる法令適用の誤は、未だもつて判決に影響を及ぼすものとは為しがたい。
よつて、原判決には刑事訴訟法第三百八十条所定の事由はなく、論旨は理由がない。